わが忘れなば

備忘録の意味で。タイトルは小沢信男の小説から。

2013-01-26から1日間の記事一覧

元731部隊の研究者への科学者による批判-上平恒『水とはなにか』感想

以前、731部隊について勉強したことをまとめて、一部ブログ記事にしたが、防疫給水部が設立されるまでの経緯を書いたところで力尽きてしまった。気にはなっていいるのだが、常石敬一の『医学者たちの組織犯罪ー関東軍第七三一部隊』(朝日文庫、1999、親本は…

若き日の花田清輝を自伝執筆のための秘書として雇っていたというイー・トンハ氏ってどういう人物?-『別冊新評 花田清輝の世界』感想

花田清輝は、ぼくの大好きな批評家で、このブログの最初の記事でも『冒険と日和見』(増補版、1973年、創樹社)を取り上げている。一時期ちょっと読んでない期間があったけれど、最近になって、未読だった『近代の超克』や『恥部の思想』を読んだら、やはり…

「切腹」「芸者」「日本語は抽象思考に向かない」などのステレオタイプの日本・日本人観には、疑問だが、戦争指導者・知識人に対する批判は、辛辣かつ的確。-ロベール・ギラン『日本人と戦争』感想

ロベールギランの『日本人と戦争』(根本長兵衛、天野恒雄訳、朝日文庫、1990)、昔読んだ本で印象に残っていたが、別の本を探して本棚を漁っていたら出てきたのでを読んだ。1938-46の期間日本にいた(帰れなかった)フランス人ジャーナリストが書いたアジア太…