わが忘れなば

備忘録の意味で。タイトルは小沢信男の小説から。

2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

アイン・ランドとナボコフ-奇妙なカップル

先日、前々回のエントリーとの関係でナボコフとサルトルについて調べていたら、二人の論争について書いている論文を見つけ、同じ人が、アイン・ランドとウラジミール・ナボコフを比較研究した論文を見つけた。D. BARTON JOHNSON という人の「奇妙な同衾者-ア…

「ポジティブな性格破綻者」の肖像-倉田啓明『倉田啓明橘作集 稚児殺し』、「誘惑女神」、松本克平『私の古本大学』(2)

(この記事は、「ポジティブな性格破綻者」の肖像-倉田啓明倉田啓明『倉田啓明橘作集 稚児殺し』、「誘惑女神」、松本克平『私の古本大学』(1)の続きです。)「誘惑女神」による偽作事件以前に啓明が発表した作品について、西村賢太「異端者の悲しみ」と松…

ナボコフによるサルトル『嘔吐』(英訳)書評の感想-(V. ナボコフ, "Strong Opinions" から "SARTRE'S FIRST TRY")

前の記事で、「ナボコフは、フロイトやドストエフスキーは結構読んでそうだけど、サルトルは何読んで嫌いになったのかな? と思った。」と書いたが、"Strong Opinions"の後半のエッセイ編の二つ目の記事にナボコフの英訳版『嘔吐』書評が載っていた。「サル…