わが忘れなば

備忘録の意味で。タイトルは小沢信男の小説から。

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

アンスコム「トルーマン氏の学位」 (2/2)

アンスコム「トルーマン氏の学位」 (1/2) - わが忘れなばの続きです。 近刊の松元雅和『平和主義とは何か』(中公新書、2013)を読んだのですが、 平和主義に向けられる典型的な疑問にこたえる形で、平和主義を絶対平和主義と平和優先主義に分けて説明を精緻…

花田清輝・吉本隆明論争 (その 1、関連した論文)

花田・吉本論争の全体像を把握したくなったので、未読・既読を含めて論争を論じた本を、ぼくの気付いた範囲でまとめてみた。自分用の読書計画表です。 ぼくの目にとまったものを挙げただけで、網羅的ではないです。他にもいろいろあるとは思うので、だんだん…

荷風の日記での帝国主義批判、日本兵の残虐行為を伝える”町の噂話”など‐『摘録 断腸亭日乗』(磯田光一編)感想

永井荷風の『摘録 断腸亭日乗』(磯田光一編、上下、岩波文庫)はいつも適当なところを開いてパラパラ読んでいるだけで、未だ通読したことはないが、太平洋戦争がいよいよ始まろうとする 1941 年あたりが一番興味深い様な気がする。摘録 断腸亭日乗〈上〉 (…

井坂洋子『朝礼』(1979、紫陽社)

3/16 に読んだ。何回目かは分からない。 twitter での感想。 荒川洋治の紫陽社が出した井坂洋子の『朝礼』(1979)は、真っ青な背景にピンクの明朝体で大きく「朝礼」と書かれたシンプルかつインプレッシブな装丁で実にナイス! 中身は「朝礼」、「制服…

「アメリカ宗教保守層の膨張の説明」(飯山雅史『アメリカの宗教右派』(2008、中公新書ラクレ)から)

twitter で次のように発言したら、意外に RT が多くて、多くの人に読まれたようなので、ちょっと補足。「ネトウヨ=弱者」説と少し対応するといえる気がするが、米でも宗教右派が台頭したことを「宗教保守層=落ちこぼれ」説で説明する人がいたそうだが、実…

飯山雅史『アメリカの宗教右派』(2008、中公新書ラクレ)

3/12-13 で読んだ。再読だったし、『知って役立つ キリスト教大研究』を読んでプロテスタントの教派について情報を仕入れた直後だったので読みやすかった。 本書の内容は、1) 福音派と呼ばれる層を支持層とする「宗教右派」の成立に至るのアメリカのキリスト…

桜庭コハル『みなみけ』3巻(2006、講談社)

3/10電車中に読んだ。 2 巻->1 巻->3 巻とやや変則に読んでしまった。 パジャマ・パーティの話が特に面白かった。次女かなと三女チアキの同級生(内田やマコちゃん)との関係が面白かったので、次巻以降でも掘り下げられることを期待している。 姉妹間、同級…

八木谷涼子著『知って役立つ キリスト教大研究』(2001、新潮 OH! 文庫)

3/8-3/9で読んだ。 著者は、プロフィールによると「キリスト教の教派とその専門用語に多大な関心を持つ。T・E・ロレンス研究家」とある。 432 ページで、キリスト教の各教派の履歴と特徴について分かりやすくまとめ、翻訳上の注意事項、関連する小説や映画の…

ゲリー・ウィルズ著・北沢栄訳『リンカーンの三分間‐ゲティスバーグ演説の謎』(1995、原著1993、共同通信社)

3/4-3/7で読み終わった。有名なリンカーンのゲティスバーグでの追悼演説(1863)を思想的・文体的な観点から分析した本。 まずそもそも、リンカーンの有名な演説が 272 語、わずか3分間の演説だったこと自体知らなかったので、そこからして驚き。当然、全文を…

はてなダイアリー始めた

読んだ本の感想を全部付けてくつもりで始めました。読書時間は、朝夜の電車内と歩行中、入浴中と寝る間の 1-2 時間くらいしかないので、多読は望むべくもない。