arXiv で見つけた文献*1。ずばり、「多世界はあるか? 」("Are There Many Worlds?")というタイトルで、科学的に多世界の存在を検証する方法を提唱している論文らしい。
アブストラクト:
他の世界の存在は、科学的に証明することが不可能でありそれゆえ哲学的な思弁としてあつかうべきだとしばしば考えられている。私は不賛成である。この論文において、 互いに相互作用していないものも含めて他の世界が存在することを決定する方法をいくつかを説明する。その方法は以下の前提に基づいている: もし多世界が存在するなら、 自然な過程の統計的な性質には、その存在がその過程によって影響を受けた観察者によって観測されたときに、偏りが生じる。その偏りは常に同じ方向を向いていて、過程が実際よりも観察者の存在を有利であるかのように見えるようにしている。いくつかの偏りを測定する見込みのある方法を提案し、人口動態学 (population dynamics) の単純なモデルを通じてどのようにして偏りが発生するのかを示し、人口増加における今日の一滴が多世界の証拠であるかを簡単に考察する。
著者は、イリノイ大学で物理の学位をとった研究者で、今はオックスフォード大学の Business School で Senior Research Fellow をしているとか。*2
メインの研究はファイナンスに関するもののようだが、多世界に関する論文もこれだけではないみたい。*3
*1:[1406.7215] Are There Many Worlds?
*3:Universal Doomsday: Analyzing Our Prospects for Survival. A. Gerig, K. D. Olum, and A. Vilenkin, 2013, JCAP, 05, 013. および The Doomsday Argument in Many Worlds. A. Gerig, 2012 タイトルからして終末論法に関する論文のようだ。