『黒き微睡みの囚人』
読み終わった。
政変によってドイツを追われたヒトラーがロンドンで私立探偵をするという歴史改変小説。
という内容の夢をアウシュビッツの収容所にいる(実在の、しかし本当の歴史では戦争のはじまる前に死んだ)ユダヤ人作家が見ているという歴史改変小説、という二重底の小説。
以下、結末に触れる内容を書きますので、エチケットとして字下げしておきます。
ヒトラー(ユダヤ人作家の夢の中のヒトラー、作中ではウルフ)が、ユダヤ人のギャングに割礼されるシーンは、ショックを受けたが、その後の展開はさらにショッキング。
なんと、ヒトラーが、だんだんとユダヤ人になってしまうという内容だった...
割礼を受け、調査のためにユダヤ人の身分証明書を偽造し、右翼の政権の成立によって、不法移民としてイギリスも追われることになり、ユダヤ人として難民を移送する船に乗ってパレスチナに渡ることになる。