わが忘れなば

備忘録の意味で。タイトルは小沢信男の小説から。

(アメリカの)保守派は(アメリカの)リベラルより事実を曲解する度合いが強いという研究の紹介の紹介

クリス・ムーニーというアメリカ合衆国のジャーナリストの Salon.com の少し古い記事( 2012/8/27 )が面白そうなテーマだったので、読んでみた。このコラムの内容は、ある共和党下院議員のとんでもない暴言(2012)をマクラにして、人は一般的に自分の信念…

ウソの自白に関する本二題ー『自白の心理学』と『本当は間違っている心理学の話』

冤罪の発生、とりわけ犯人でない人がウソの自白をしてしまう現象について、心理学的に考察した本を二冊読んだ。 浜田寿美男『自白の心理学』(岩波新書) スコット・O・リリエンフェルド、スティーヴン・ジェイ・リン、ジョン・ラッシオ、バリー・L・バオア…

「男大空ハイライト」を発掘

今はなきとあるサイトの「雁屋哲アラカルト」というコーナにあった『男大空』というマンガのあるシーンのセリフをまとめたページを webarcheives から発掘してきました。このページは、すごくナイスだと思うのになくなって読めなくなってしまうのは残念だっ…

旧軍隊で行われた私刑

古山高麗雄『二十三の戦争短編集』を読みかえしていたら。 若い人のために、旧軍隊で行われた私刑についても、説明しておこう。 とても全部は書ききれないが、ビンタにも、対向ビンタといって、上級者は自分では手を下さず、二人を向かい合わせて、互いに殴…

新無神論者たちのイスラモフォビア

CJ WERLEMAN (1) という批評家のアメリカ合衆国における新無神論ムーブメントに関する記事を Salon.com というオンライン雑誌でいくつか読んだら、面白かったので、ちょっとまとめてみマス。 新無神論ムーブメントというのは、911 以後米国で活発になった世…

2014年8月の読書メーター

2014年8月の読書メーター読んだ本の数:4冊読んだページ数:834ページナイス数:0ナイス在日韓国・朝鮮人―若い世代のアイデンティティ (中公新書)読了日:8月15日 著者:福岡安則これだけは知っておきたい 日本と朝鮮の一〇〇年史 (平凡社新書)読了日:8月13…

Austin Gerig(2014)「多世界はあるか?」("Are There Many Worlds?")

arXiv で見つけた文献*1。ずばり、「多世界はあるか? 」("Are There Many Worlds?")というタイトルで、科学的に多世界の存在を検証する方法を提唱している論文らしい。 アブストラクト: 他の世界の存在は、科学的に証明することが不可能でありそれゆえ哲学…

サブで考えてた研究と似たようないい感じの研究があった,,. やだなあ… 明日はセミナーな訳だが、準備はかなり適当に… 疲れる… 帰りに近代麻雀読んだけど麒麟児ってマンガが面白かった. 今は、近代麻雀とゴラクが面白い.

Macbook Air 購入。

Mac

秋葉原ヨドバシにて Macbook Air 購入. 軽くセットアップした. ランチャー arfred 導入した. -> 辞書をすばやく引けるように設定する. -> した. cf) Alfredと辞書.appで高速快適な英語環境を手に入れる · THINKING MEGANE はてブ、evernote、Mendelay などの…

アップしたのは、2016 年 6 月 17 日。mixi に友達限定で、公開していたもの。twitter にも書いたが↓、顕正会の勧誘(布教?)にあってしまった。正直あんまり愉快な体験ではなかったので、モヤモヤを吐き出して置くためにここに詳しく書いておく。 >> 書店…

高木貞治・岸信介・田村淳の「相手の名前を忘れたときに相手の気持ちを害さないで聞きだす方法」

こんな記事タイラー・コーエン 「相手の名前をド忘れした時の対処法」 — 経済学101を読んだんですが、 ごまかし方その1. 「ファーストネームでお呼びしたいんですが、そういうわけにもいかないようですので」:「(ファーストネームで)「デイヴィッド」とお…

1936 年大統領選、Literary Digest 誌の予想おおはずし

N.Bostrom の "Anthropic Bias"(2002)Anthropic Bias - complete text | anthropic-principle.comより。 1936 年、Literary Digest 誌は、きたる大統領選挙の結果を予測するために世論調査を行った。彼らは、Alt Landon という共和党の候補が大差をつけて勝…

伊丹十三「最終楽章」(『ヨーロッパ退屈日記』)に出てくる放浪のピアノ弾きってこの人じゃないだろうか? 

伊丹十三「最終楽章」(『ヨーロッパ退屈日記』)に少年時代の伊丹に強い印象を残した「放浪のピアノ弾き」という人物が出てくる。 放浪のピアノ弾きはわたくしに向かって、 「チボーとコルトーだね」といった。 そうして詩集をちらっと見て、 「おや、村上菊…

Nakasone Medal...

こんな賞があった。。。HFSP Nakasone Award | Human Frontier Science Program受賞者には、大勲位の顔をあしらったメダルが授けられます。http://www.hfsp.org/sites/www.hfsp.org/files/NakasoneMedal_200.jpgどっか外国の硬貨みたい。なんか別の人にも似…

ちょっと昔(少なくとも1950年代くらい)まで、赤子のことを「赤さん」といっていた?

これは、前から気になってたことなんですが、少し古い小説を読むと赤子のことを会話や地の文で(「赤ちゃん」でなく)「赤さん」と呼んでいるというのに出くわすことが何度かありました。例↓ そのときには今のあき子さんがまだ五つか六つかで、下の坊ちゃん…

バークレーには「ノーベル賞受賞者専用の駐車場」がある

先日カリフォルニア大学バークレー校に行ってきたのだが、そのとき「バークレーの一番の名所だよ」といわれて案内されたのが、化学科の建物の前の駐車場スペース。「ノーベル賞受賞者専用」の駐車スペースだ。そんなん用意してもノーベル賞受賞者なんて一度…

1991~1993頃のフジテレビ、「実録犯罪史シリーズ」について

20年くらい前に、フジテレビの「金曜ドラマシアター」っていう枠で「実録犯罪史シリーズ」という実際に会った事件をもとにした二時間ドラマのシリーズがあったらしいんだけど、ネットで感想などを調べてみると、なんだか面白そうだった。『最期のドライブ…

Nick Bostrom"Anthropic Bias"(2002) 第二章

Nick Bostrom "Anthropic Bias"(2002) 第一章 - わが忘れなばの続きです。 Nick Bostrom"Anthropic Bias(2002)"の第二章です。 とりあえず、イアン・ハッキングの「逆ギャンブラーの誤謬」が出てくる第三節まで訳しました。追記していく予定です。(2014/01/…

Nick Bostrom "Anthropic Bias"(2002) 第一章

人間原理の哲学者で、「シミュレーション論法」とかでも有名な Nick Bostrom の著書 "Anthropic Bias"(2002)の第一章を訳しました。 誤訳などのご指摘、コメントをくだされば幸いです。(ブログのコメント欄か、プロフィールに書いてあるメール・アドレス(fr…

J.リチャード・ゴットIII「われわれの未来の展望に対するコペルニクス原理の含意」(1)

J.リチャード・ゴットIIIのImplications of the Copernican principle for our future prospects(Nature 363, 315 - 319 (27 May 1993); doi:10.1038/363315a0) 翻訳その(1)です。 この論文は、J.リチャード・ゴットIIIの『時間旅行者のための基礎知識』の…

人間原理、文献まとめ(1) Dicke、CarterからBarrow&Tipplerまで

人間原理関係の文献まとめのその(1)です。George.F.R.Ellis,"Editorial note to: Brandon Carter, Large number coincidences and the anthropic principle in cosmology",gen Relativ Gravit(2011)43:3213-3223 をもとにまとめました。(DOI とかリンクとか…

Brandon Carter 「巨大数の一致と宇宙論における人間原理」(4)

Brandon Carter 「巨大数の一致と宇宙論における人間原理」(3) - わが忘れなばの続きです。 第五章 世界アンサンブルと重力定数 最後の手段として、それ以上強い物理学的な言説がないときに、強い人間原理に基づいた予測を、「世界アンサンブル」という観…

Brandon Carter 「巨大数の一致と宇宙論における人間原理」(3)

Brandon Carter 「巨大数の一致と宇宙論における人間原理」(2) - わが忘れなばの続きです。 第四章 強い人間原理による予測 次は、第五章と議論を訳します。

Brandon Carter 「巨大数の一致と宇宙論における人間原理」(2)

Brandon Carter 「巨大数の一致と宇宙論における人間原理」(1) - わが忘れなばの続きです。第二章と第三章を訳しました。 2.伝統的な種類の予測Bondi のリストにある最初の「巨大数の一致」は、恒星の大きさや色はさまざまな種類に渡っているのに―白色…

Brandon Carter 「巨大数の一致と宇宙論における人間原理」(1)

人間原理を提唱した Brandon Carter の論文、"Large Number Coincidences and the Anthropic Principle in Cosmology - Springer"(1974)の序章("introduction")の翻訳です。ロバート・H・ディッケ 「ディラックの宇宙論とマッハ原理」―「物理学者を作るの…

ロバート・H・ディッケ 「ディラックの宇宙論とマッハ原理」―「物理学者を作るのに炭素が必要だということはよく知られているのだ」

ロバート・H・ディッケの論文"Dirac's Cosmology and Mach's Principle" (Nature 192, 440 - 441 (04 November 1961), doi:10.1038/192440a0) の翻訳です。[]内は訳注です。 論文といっても、 1 ページ強の「編集者への手紙」("Letter to editor")です。 …

小田実『何でも見てやろう』からクレア・ゴルのエピソード

小田実『何でも見てやろう』より引用。 戦後とみに威勢のあがらなくなった反動もあって、ヨーロッパ人は、一言にしていえば、かわいそうなほど、私のようなアカの他人にまでいささかソクインの情をもよおさしめるほどに、アメリカ、アメリカ人、アメリカの事…

岡崎英生『劇画狂時代―「ヤングコミック」の神話』

いま、岡崎英生『劇画狂時代―「ヤングコミック」の神話』(飛鳥新社、2002)を読んでるんだけど、「宮谷一彦は、自分の熱烈なファンだった女子高生と恋愛した。この女子高生は、ある右翼の大物の娘で、恋愛中は宮谷は父親の反対で大変苦労したが、反対を押し…

”ぼくがキライなドクターは四人、Dr. フロイト、Dr. ジバゴ、Dr. シュバイツァー、Dr. カストロだ! ”―『ストロング・オピニオンズ』 よりナボコフの1968年のインタビュー

V.ナボコフの『ストロング・オピニオンズ』("Strong Opinions"、1973)から、1968年9月3日に行われた Nicholas Garnham によるインタビューを紹介。(以前のナボコフや”ストロング・オピニオンズ”間連のこのブログの記事はここに。"ナボコフ" - 記…

石橋政嗣『非武装中立論』と松元雅和『平和主義とは何か』‐感想

石橋政嗣『非武装中立論』(社会新書、1980)を再読しました。twitter での感想。kohaku(@kohaku_nanamori)/「非武装中立論」の検索結果 - Twilog 最近、松元雅和『平和主義とは何か』(中公新書、2013)を読み、ここでの「現実主義と対話(対決)し…